川﨑ありさの現代詩

現代詩を書いて投稿します。

お涙ちょうだい

わたしのお涙製造排出工場は
レーダー停止したまんま
となりの誰かが
胸を打たれてボロボロ泣いても
自分で
涙が作り出せないし
垂れ流せない
性悪女なのかな
感受性豊かじゃないのかな
きっといま
このタイミングで泣いていた方が
いい人に思われるよね
心がきれいな人に見えるよね
たぶん優しいひとだよね
自分の人生や現状に
直接関わることじゃないと
無理矢理にでも
そう連想させようか
どうにかこうにかやってみても
全然ちっとも流れないんだ
フィクションだろうと
ノンフィクションだろうと
結局は他人のことなんだよね
わたしの瞳はピチピチなんか
じゃない
きっとカレカレでもない
みんながヨボヨボなんだ
わたしひとりだけの力で
勝手に泣いてるのは
こんなにも簡単で大得意なのに