川﨑ありさの現代詩

現代詩を書いて投稿します。

ぼくるま大国の王様

僕専用通行帯があるのなら

渋滞したって関係ない

ぼくには関係ない


きみに

すぐに会いに行けるような


前の車をぜんぶ追い抜く

道路交通ファストパス


といった

権力があったなら


信号が顔色を変えた

ぼくは急発進する

まわりが引いちゃうくらいに


アクセルが僕の脳みそなら

いっつもかっつも玉突き事故だ


タイヤがぼくの気持ちなら

何度もドリフトして

すり減らしてみるのも価値がある


交差点には深く入りこめない

信号が青なのに進みこめない

きみみたいな

都合の悪いところには

いっつもかっつも

踏み入れてくれない